充実した事前テストをこなし予選を6番手でクリア。決勝は他車に接触され、2戦連続でDNF。
宮崎の参戦するST600クラスに関しては、今年初となる鈴鹿サーキットでのレース。このサーキットは中・高速コーナーが中心でテクニカルなコースであることから、マシン差はあまり出にくく、セットアップとライダーの技術で、好成績を残すことが可能となる。
今シーズン、本来のレースとはほど遠い戦いを強いられている宮崎にとって、巻き返しを図ってターニングポイントとしたいところだ。そのためにチームもレース用のテストスケジュールを組み、十分なバックアップ体制を得ることができていた。実際にテストも順調に行うことができ、レースでのトップグループのレースタイムを想定。そのタイムをアベレージで維持できるセットアップを主眼にセットアップを重ね、今回のレースウイークでも一発のタイムよりも『アベレージタイムの高さ』をテーマにマシン造りを行っていった。
1回目の予選で宮崎は2分16秒223をマークし、組2番手に付ける。レギュレーションの関係から、中古タイヤで走行せざるを得ない2回目の予選にもかかわらず2分17秒025で組トップ。
この結果、2列目6番手からのスタートと、久しぶりに好グリッドから決勝を迎えることとなった。
今シーズン、とにかくスタートでの出だしが悪い。それは宮崎も十分に認識していることから、丁寧なスタートを心がけ、前に出るという欲は出さず、まずは周囲と同じレベルでスタートできるよう集中した。
宮崎選手
いよいよスタート。1速での出だしはまずまずだった。2速に入れても周囲と同じ。ところが3速に入れた瞬間、加速がぐっと鈍ってしまい、全力加速する周囲に一気にパスされてしまう。
これで、6番手前後でスタートできたにもかかわらず、その後の加速の関係で一気に抜かれて15位前後まで順位を落としてしまった。
2分16秒台前半でラップできる車体作りをしてきた宮崎にとって、15位前後を走るライダーのペースは遅い。丁寧に前車をパスし、ポジションを上げていく。4周目には12位、6周目10位、8周目9位、11周目8位と着実にポジションアップ。12周目7位まで順位を上げ、迎えたラストラップでは6位まで追い上げながらもストレートで抜かれ7位で走行。シケインに入った瞬間、後方から他車が曲がりきれないスピードで宮崎のマシンの横にぶつかってきた。このために宮崎はコースからはじき出されて転倒。そのままリタイヤとなってしまった。
宮崎 敦「事前テストから決勝のペースを想定し、とにかくできるだけ高いアベレージでラップできるマシン造りを行い、手応えを感じるレベルにまで仕上げることができたのですが、スタートでの不可思議な加速鈍化、そして最後の接触と、納得のできないレースとなってしまいました。ですが自分がもうあとコンマ2秒速く走っていれば他車に接触されることはなかったわけですから、もっとレベルの高い走りができるよう、努力を続けます。次はスクールやタイヤテストなどでよく走って熟知している岡山国際サーキットでのレースですので、ぜひここでいい結果を残し、最終戦につなげたいと思っています。引き続き応援、宜しくお願いいたします。」
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