着実なセットアップを重ね、手応えを感じながら迎えた決勝レース。しかし他車に接触され、転倒リタイヤ。
約3ケ月のインターバルを挟み、全日本も後半戦となる第5戦が宮城県スポーツランドSUGOで行われた。
今年初めてのスポーツランドSUGOでのレースであり、しかもコースが全周にわたって改修され、路面コンディションが大きく変わっていることから、今までのセッティングとは異なるものが要求される。そういう点で、事前テストが大きな意味を持つのだが、宮崎はタイヤの開発テストしており、事前にテストを行うことはできたが、レース用テストはできていないため、レースウイーク中にレース用のマシンセットアップを行わなければならなかった。金曜日の合同テストから精力的にセットアップを行いたいところだったが、台風の影響でこの日は終日ウエットコンディションとなってしまった。土曜・日曜の天気予報は晴れをレポートしており、状況としては非常に厳しいものとなってしまった。
明けて土曜日。朝から晴れ、1回目の予選はわずかにウエットパッチが残りながらも、ドライタイヤで走行できるコンディションだった。
ほぼゼロスタートでマシンセットアップを始めた宮崎は、それでも持てる時間をフルに使ってセッティングを進め、このセッションで1分34秒672のタイムをマークし、組8番手となった。まだまだマシンセットアップを詰める必要がありながら、周囲との比較としてはまずまずの予選1回目と言えた。
2回目もさらにセットアップを進め、問題の出ていた箇所を対策。問題を抱えていた箇所は良くなったのだが、今度は別の場所に問題が出てしまう。それでもタイムは1分33秒958をマークし、組3番手。コースレコードも破ることができた。
このタイムでスターティングリッドは11番手、3列目となったがトップとの差はわずかコンマ7秒差と決勝へ大きな可能性を秘めていた。
決勝日は曇り。前日ほど気温も上がらず、コンディションとしては難しくなった。土曜日は路面温度がかなり上がったが、日曜日は曇りのために路面温度がそれほど上がらず、新しい路面でどういったグリップとなるのが、判断材料がないのだ。それでも朝のウォームアップでトライしたセッティングがよいフィーリングだったため、それをベースにさらに進めたセッティングで決勝を迎えることとした。
16位で1周目をクリア。ここでラップタイムの遅いマシンに前をふさがれ、なかなか前に出ることができなくなってしまった。そのために3周目から4周目と15位で走行。ここからペースを上げて一気に前車を抜いていこうとした5周目終わりのシケイン入り口で、横からフロントタイヤに他車がぶつかってきてしまい、次の瞬間に足下をすくわれる形で転倒してしまう。再スタートを切ったものの、マシンダメージは大きく、そのままピットロードに向かってリタイヤとなってしまった。
宮崎敦「レース用のセッティングをほぼゼロから組み立てなければならない状況だったため、金曜日の雨は非常に厳しいものでした。それでもチームスタッフの頑張りもあり、着実にセットアップが進み、レースに対して手応えのある状態で準備することができたのは非常に心強いものがありました。レースも、1分33秒台後半のラップタイムの推移であれば、十分に付いていけると考えていました。実際に決勝でのトップグループのタイムもそのレベルで推移したので、トップグループに加わることができたのではないかと思います。それだけに残念なアクシデントでした。チームスタッフも本当によく頑張ってバックアップしてくれているので、なんとか成績で報いたいと思うので気持ちを切り替え運も味方につけてシーズン終盤に向け、尻上がりの結果になるよう頑張ります。引き続き応援、宜しくお願いいたします。」
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