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全日本ロードレース
第4戦 オートポリス

宮崎敦選手レポート


初日に転倒を喫し、20針縫う負傷を。
しかし予選はコースレコードを記録して10位。
決勝も走り切り、執念で10位6点をゲット。

1年に1回の開催となる大分県オートポリスサーキットでのレース。

阿蘇の山間に作られたこのサーキットは、全長4.6kmで高低差が大きく、日本国内のコースとしては珍しいレイアウトで、グランプリが開催されるヨーロッパ的雰囲気を持つ。1年に1回の開催ということもあり、いつも行われているサーキットでのレースとはレースウイーク全体の流れが異なり、ここを得意とするライダーが活躍したりすることの多い、やや特殊なレースと言える。

宮崎敦は開幕前からタイヤテストなどでこのサーキットを訪れており、ライバルに対し、若干ではあるが走行しているということでアドバンテージがある。シーズンの流れを自分の方に引き寄せたい宮崎にとっては、一つのポイントにする可能性を持つレースとなる。

そういう意味で、ART合同テストが行われる金曜日の走行から、レベルの高い走行をしたいところ。しかし1回目の走行開始直後、高速コーナーで宮崎は転倒。マシンを大破し、本人も両腕を負傷。特に左腕は擦過傷がひどく、病院へ向かうこととなった。傷口が大きく開いてしまったため、20針ほど縫う処置を受け、午後の走行のために病院を後にした。2回目の走行時間開始直後にサーキットに到着した宮崎は急いで準備をし、2回目のセッションを走行。1回目もわずか3周しか出来ていないにもかかわらず、組7番手のタイムをマークしていた。走りのレベル自体は決して悪くないだけに、怪我が惜しまれる。

土曜日の予選も痛みが心配されたが、これを堪えながら周回し、1分57秒074のコースレコードを記録して組6番手。2回目はレギュレーションのために中古タイヤで走行しなければならないため、レースに向けたセットアップを行ない、1分58秒135と1回目から大きくタイムを落とすことなく周回を重ねることが出来た。この結果、総合で10番手、3列目からのスタートとなった。

決勝は15周。30分弱の連続走行となるため、痛みが心配されたが、決勝朝のウォームアップ走行も無事にこなし、怪我の影響は思ったほど出ていないことが確認された。

いよいよレースがスタート。宮崎はまずまずのスタートを切り、序盤は11位あたりを走行する。しかし周回を重ねる毎に、ストレートは速いがコーナーは遅いという別のマシンに前をふさがれるようになってしまい、怪我の影響から体に負担のかかるライディングが出来にくい宮崎にとってはつらい状況となってしまった。しかも、なんとかそれをパスしようと第2ヘアピンでしかけたところ、スロットルを少し早めに開けてしまってハイサイドを起こしかけ、これを抑えようとした瞬間、左腕に激痛が走り、以降、宮崎は左腕の痛みと戦いながらレースを走り続けなければならなくなってしまった。

グランプリでも骨折が完全に治っていない状況でレースに出場し、痛みと戦った経験を持つ宮崎だが、何度経験しても、痛みとの戦いは辛いものだ。それでもなんとかポジションをキープ。上位陣の転倒もあり、10位でフィニッシュすることに成功した。

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